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3、拡大内視鏡検査による詳細診断

院長のまつえです。

今回は大腸内視鏡診断とはについてお話ししたいと思います。

まず大腸の検査を行ってみようと思うきっかけってなんでしょうか?

お尻から血が出た。最近便が細くなった。便秘がひどい。癌があるかも。・・・・など色々なきっかけがあると思います。

毎日大腸内視鏡検査を行っていると、多くは小さいポリープ(良性ポリープ)や痔などが見つかることが多いですが、大きいポリープや大腸癌と診断する機会も少なからずあります。

もちろん進行の大腸がんなどは肉眼的に見てもすぐ判断つくのですが、早期の大腸がんと良性のポリープの判別が肉眼だけでは困難なことがあります。

その場合、大腸カメラでポリープ表面の粘膜構造を拡大観察することで診断を行い、ポリープ切除を当日行うか、高度医療機関へ紹介するかの判断を行っています。

当院で行った大腸検査の一部をご紹介します。

健診で便潜血陽性にておこなった大腸検査です。
S状結腸に15mm程度の発赤調の有茎性ポリープです。ポリープは柔らかく、肉眼的には良性のポリープ(腺腫)を疑う所見です。

 

粘膜の一部をNBIという特殊な観察技術を使い拡大することで、表面の微細な血管構造や腺管構造がはっきりします。この段階で腺腫もしくは粘膜癌(早期大腸がん)の診断となります。

外来にて当日ポリープ切除を行い、病理の結果は早期の大腸がん(粘膜癌)でした。リンパ節転移や血管転移もなく、治癒切除となっています。

このように大腸の腫瘍は肉眼的にだけでなく、さまざまな観察技術を併用することで当院ではより精度の高い診断を行っております。

国立がん研究センターが公表している2020年の大腸がんの死亡数の順位は、男性で3位、女性では1位です。 この統計から、多くの日本人が大腸がんで命を落としていることが分かります。

現在、早期の大腸がんであれば、内視鏡で切除できる時代となっています。つまり、癌ができても、早期であれば、外科的手術を回避するだけでなく、治療後も生活の質が損なわれないということが一番のメリットではないでしょうか。

当院では最新の内視鏡を使用して経験豊富な医師が診断、治療を行っております。

おなかのことで心配事がありましたらいつでもご来院ください。

次回は 4)院内で下剤の前処置が行えるです。

いちょうの森内科内視鏡クリニック

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血便  

院長のまつえです。

3月も中旬をすぎ、皆様どのようにお過ごしでしょうか。

最近はコロナ感染者、インフルエンザも徐々に落ち着いてきましたが、寒暖差も強く、体調管理には気を付けてください。

 今回のテーマは、「血便」についてです。

突然おしりから赤い便が出るとびっくりすると思います。

新鮮血の場合ほとんどが痔核からの出血です。しかし重篤な病気の原因のサインのこともあリます。繰り返す出血で毎回、痔だと思っていたら、大腸に大きいポリープや癌が見つかった例も私自身多く経験しております。

血便をきたす病気の一例として、感染性腸炎、炎症性腸疾患、大腸ポリープ、大腸がん、虚血性腸炎、痔、憩室出血などがあります。

・胃がムカムカする

・排便時に毎回血液が混じる

・繰り返す腹痛

・持続する下痢

・悪心・嘔吐がある

・便秘がひどくなった

出血に加えて上記のような所見を認めた場合は、大きな病気が隠されていることもあるため早めに医療機関を受診しましょう。医師の診察を受けずに放置することは賢明とは言えません。

当院では、経験豊富な内視鏡専門医による鎮静剤を用いた大腸カメラ検査が可能です。軽い鎮静剤でリラックスし、痛みを抑えた大腸カメラ検査を受けていただくことができます。初めての内視鏡検査や過去の大腸カメラ検査でトラウマを持つ方にも安心です。鎮静剤の量や種類は、患者様の年齢・体格・既往症等により適切に判断しますのでご安心ください。

どんな些細なことでもご相談ください。

 

 ・感染性腸炎   

いわゆる食中毒で、腸に炎症が起こることでじわじわ出血します。下痢症状を伴いますが、通常1週間程度で治ります。

 ・炎症性腸疾患

「クローン病」や「潰瘍性大腸炎」という自己免疫の病気です。腸の炎症で潰瘍などができ、じわじわ出血します。感染性腸炎との違いは、長期間、軟便や下痢が続きます。

 ・大腸ポリープ、大腸がん

腫瘍の表面の粘膜がもろいため、じわじわ出血します。腫瘍が大きくなると貧血やひどい便秘、さらに進むと腸閉塞になることもあります。いつもと違う症状が出た時は早めに受診してください。

 ・痔

肛門部からの出血で、鮮血であるのが特徴です。排便後の出血やティッシュに血が付いたなどの症状があります。軽度の痔の場合は、出血は一時的なものです。

 ・虚血性腸炎

腸管の血流が一時的に悪くなった時に腹痛や下痢、出血をきたします。当院でも受診者が多く、炎症の程度のよっては入院加療が必要になることもありますので、突然の腹痛、出血を認めた場合は早めに受診してください。

 ・大腸憩室出血

大腸の憩室という袋の血管から出血します。暗赤色から鮮血の血液の塊が排便されます。大量に出血すると貧血となり輸血や緊急の内視鏡的止血術が必要なこともあります。

春の下痢と胃もたれ

院長のまつえです。

みなさんこんにちは。寒い日からも徐々に解放され、さくらも開花しましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

3月13日からはマスクの着用も屋内外を問わず個人の判断に委ねることになり、特に4月は新しい出会いの季節でもありますので、会食や人と接する機会も増えると思います。

今回、『春の下痢と胃もたれ』についてお話しさせていただきます。

春は、1年のなかで最も寒暖差があるといわれています。また新しい環境に身を置くことが増える時期でもありため、知らず知らずのうちに自律神経が影響を受けている場合が多くあります。

・自律神経の乱れ

寒暖差に対応するために交感神経が活発に働くことで緊張状態が続き、自律神経の乱れを引き起こします。それが腸の状態の乱れにつながり、下痢や胃もたれの原因にもなっている可能性があります。

・体温調整がむずかしい

薄着で外出したら意外と寒かったり、花見や宴会などで冷たいアルコールを飲んでしまったりと、春は何かとお腹が冷える機会が多い時期です。お腹が冷えると、食べ物が消化されにくくなり、胃が重く感じたり、下痢の原因になります。

・生活環境の変化

春は転居や部署異動など、人間関係や生活環境が変わりやすい季節です。環境の変化は無意識のうちに精神的なストレスにつながりやすく、ストレスにさらされ続けると腸の運動が不自然に高まりやすいといわれています。

腸の運動が異常に高まると、便の通過スピードが速くなり、水分の吸収がうまく行われないため、便がゆるい状態で排出されたり、胃が重い状態になってきます。

予防策

・食べ物に気をつける

脂っこい食べ物は消化が悪く胃もたれが起こりやすいため、炭水化物やたんぱく質など消化の良い食べ物を心がけましょう。

・食べすぎ、飲み過ぎに注意する

腹八分目を意識し、飲みすぎないように心がけましょう。

・食事の時間帯を見直す

食事の間隔が短すぎたり、空腹の時間が長時間続くと胃に負担がかかるため、3食を規則正しい時間に食べるように心がけましょう。

・ストレスや疲労を溜めないようにする

趣味や適度な運動をし、ストレスを溜めないよう心がけましょう。

 

最後になりますが、市販薬などを飲んでも症状がなかなか改善されない場合は、当院で採血検査や超音波検査、内視鏡検査などで詳しく調べることが可能です。

また、内視鏡検査は鎮静剤を使用することができるため苦痛が少なく検査を行うことができます。

症状がなかなか改善されず、悩まれている患者様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせ、ご来院ください。

 

大腸内視鏡検査の工夫2

今回は2、見逃しのない大腸内視鏡検査です。

院長のまつえです。

見逃しの少ない内視鏡検査ってどう評価するの?腺腫性ポリープの発見率、すなわち、1人の内視鏡検査で何%の確率で腺腫性ポリープが見つかるかという指標として、ADR(Adenoma Detection Rate)という概念が提唱されました。ADR 40%というのは、仮にみなさんが大腸内視鏡検査をうけると、40%の確率で腺腫性ポリープが発見されるということです。これは当然の話なのですが、前癌病変である大腸腺腫は大腸がんより一般的には小さな病変です。(40歳代で42%の方が大腸腺腫を持っているという報告もあります。)そのため、前癌病変である腺腫性ポリープを発見し、切除することは大腸癌の発生を予防する上で非常に重要になってきます。
しかし、実際には医師の力量により腺腫の発見率は大きく異なるため、アメリカ消化器内視鏡学会(ASGE)のガイドラインでは、ADR 25%以上が内視鏡検査医に求められています。
大腸内視鏡検査を受けるなら、腺腫発見率の高い医師の検査を受けることをお勧めします。

当院では4月11日開院後 10月31日までに約230人の大腸内視鏡検査を行い、ADRは52.2%を達成いたしました。
挿入時間を極力少なくして、大腸のひだをめくりながら、時間をかけてじっくりと観察することにより病変の発見率を向上させ、「見逃し」が少なくなるように検査を行っております。

今後も地域から胃がん、大腸がんで苦しむ人を0にするを目標に精進していきたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。

 

アニサキスに注意

院長のまつえです。

先日元AKB48の板野友美さんがアニサキスになったということでネットでも話題になっていました。

アニサキス症は全国的に増えてきています。

実は八王子市にある当院でも6月に入ってから3件のアニサキス除去をおこないました。

アニサキスが発見されやすい魚としてイカ、サバ、さんま、イワシ、サケなどの有名ですが、先日は太刀魚の生食からアニサキスが発見されました。どんな魚にもいると考えてください。

 

 


アニサキスの予防には目視、冷凍、加熱が有効です。

・鮮度を徹底:新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く
・目視で確認:目視で確認してアニサキス幼虫を除去
・冷凍が有効:マイナス20℃で24時間以上。
(※家庭用冷凍庫の場合は48時間以上冷凍 )
・加熱が有効:70℃以上、または60℃なら1分加熱

胃のアニサキスは、内視鏡により除去することができます。除去後まもなく症状は治ります。

ただアニサキスが腸まで行ってしまった場合は内視鏡的に除去することは難しくなります。経口感染後、十数時間~数日後に、強い下腹部痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。
稀ではありますが、腸閉塞や腸穿孔に至るケースも見られ、入院加療が必要となります。

生食摂取後、数時間でのお腹の痛み、吐き気、嘔吐を認めた場合は早めにご相談ください。

 

 

大腸内視鏡検査の工夫1

院長のまつえです。

早いもので開院して1ヶ月が過ぎました。
近隣の方、また遠方より内視鏡検査を受けにきていただき誠にありがとうございます。

 

今回は当院の大腸内視鏡検査の工夫についてお話したいと思います。


1、痛みの少ない内視鏡検査
2、見逃しのない大腸内視鏡検査
3
、拡大内視鏡検査による詳細診断
4、院内で下剤の前処置が行える
5、日帰り大腸ポリープ切除

 

1、痛みの少ない内視鏡検査

痛い、辛いと言われる大腸内視鏡検査。これが検査を受けようと思っていても、なかなか検査から遠ざかってしまう最大の要因と思われがちですが、実は検査から遠ざかる最大の要因は症状がない事だと私は思っています。
出血した場合多くの方が大腸カメラを受けます。大腸がんの早期は症状がありません。
多くの方に大腸検査を受けていただくために、当院では少しでも痛みが少なく検査が受けられる工夫をしていきます。

それでは痛みの少ない体に負担の少ない大腸検査とは?


単に苦痛なく検査をするだけであれば、鎮痛剤や鎮静剤をたくさん使えば初級医でも可能です。実際、海外では、内視鏡検査に麻酔科医がついて全身麻酔で行っている国もあります。
一方で鎮静剤などの薬をほとんど使用していない国もあります。

 

大腸検査は肛門からカメラを入れて、盲腸まで進み、そこからカメラを抜きながら盲腸(一番奥)から肛門まで空気を入れて大腸全体を観察します。生理的な食べ物の流れと逆行してカメラを奥まで入れる。つまり痛みが出るのは肛門から盲腸に進む時です。

理由は大腸は腹腔の周りを取り囲むようにして走行している臓器で、上行結腸、下行結腸、直腸は腸間膜を持たず、腹壁や骨盤腔に直接固定されています。
要は固定されていない場所、S状結腸、横行結腸がカメラで引っ張られて痛みを感じます。


よく検査中にお腹を押しますね〜と

これは腸を伸ばさないための工夫なのです。

痛み、体に負担の少ない内視鏡には、医師の経験や心遣いが一番大切だと思っています。

その心遣いにはリラックスできるような医師や看護師の声かけなどのソフト面も含まれます。

また心遣いには設備やテクニックなどのハード面もあります。


当院では一人ひとり合わせた内視鏡検査を行います。高度な技術で苦痛なく検査を行います。一緒に画面を見て腸の状態や病変の説明を聞きながら検査を受けて頂くことも可能ですし、寝ている間に検査を受けて頂くことも可能ですので安心してご来院ください。

次回は2、見逃しのない大腸内視鏡検査です。

 

 

 

 

 

ヘリコバクターピロリと胃がん

院長のまつえです。
今回はピロリ菌についてお話しします。
ピロリ菌なんてかわいい名前がついていますが、正式名はヘリコバクター・ピロリと言います。ヘリコとは「らせん」とか「旋回」という意味。

ヘリコプターのヘリコと同じです。ひげの部分を回転させて移動します。

そしてピロリ菌に感染したからといって、潰瘍や胃癌が必ず発症するわけではありませんが、感染したほとんどの人に胃炎がおこります。除菌しない限り、ピロリ菌は胃の中にすみ続け慢性的炎症が続き、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発癌物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となります。

ピロリ菌が原因で起こる疾患には萎縮性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃がんなどがあります。

胃がんの発生を少なくする事。

今まで早期胃癌の内視鏡治療を行ってきた経験からピロリ菌を除菌する意義はここにあると思っています。
院内でピロリ菌検査を行える環境を整えました。

ご来院ありがとうございました。

院長のまつえです。
4月9日、10日と内覧会を開催させていただきました。
2日間たくさんの方に来院していただきありがとうございました。
4月11日月曜日より開院いたしました。
地域の方々の健康を支えていけるクリニックをスタッフ一同作り上げていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

内覧会開催

院長のまつえです。
本日たくさんのお花をいただきました。
開業準備から約10ヶ月。開業準備に携わっていただいた関係者各位には改めて感謝いたします。
ありがとうございます。
明日、明後日は予定通り内覧会を開催いたします。
新型コロナ感染対策のため、入口での検温、入場制限をさせていただきます。
時間は10時〜15時を予定しておりますので、皆様隣接のクリエイトさんへお買い物のついでに覗きに来てください。
内視鏡検査予約も開始しますので、胃カメラ、大腸カメラを受けてみようと思っている方はご来院ください。
明日よりインターネット予約も開始いたしますので併せてご利用ください。

内覧会準備

院長のまつえです。
内覧会の準備をスタッフ一同で行いました。
4月9日(土)、10日(日)10時から15時です。
人数制限を行いながら開催いたしますので、お時間のある方はぜひお越しください。

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