ピロリ菌

ピロリ菌について

ピロリ菌は、正式名をヘリコバクターピロリ菌と言います。ウレアーゼという酵素を作ることで胃酸という強い酸に満たされた胃内部で生息を可能としています。ピロリ菌自体は、胃にダメージを与える物質を分泌するため、存在することが望ましくなく、ピロリ菌により胃内部は慢性的な炎症状態に陥り、萎縮性胃炎などを発症する要因となります。そのため、ピロリ菌感染されている場合、除菌治療を行うことをお勧めしています。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌は、経口感染により感染します。免疫や胃酸の弱い4〜5歳までに感染するとされており、衛生状態が悪い環境で感染率が高くなります。そのため、たとえ衛生環境が悪いところであっても、成人後に初めて感染することはありません。ただし、幼少期に口移しなどで感染することも指摘されており、胃がんや十二指腸がん、胃潰瘍などピロリ菌と関連する疾患に罹患したご家族がいる場合、注意する必要があります。このような場合、ご自身も幼少期に感染している場合がありますので、ピロリ菌検査を受診することをお勧めしています。

ピロリ菌が原因となる疾患

ピロリ菌は、胃や十二指腸に慢性的な炎症を引き起こしやすくします。慢性的な炎症は、潰瘍を生じさせやすく、胃がんの発症リスクを高めてしまいます。下記、ピロリ菌による代表的な3つの疾患になります。

萎縮性胃炎

ピロリ菌が分泌する物質により慢性胃炎が生じ、胃粘膜が薄く萎縮することで発症します。萎縮性胃炎は胃がんのリスクを高めてしまうため、ピロリ菌の除菌が重要になります。

胃・十二指腸潰瘍

胃粘膜で炎症を繰り返すことで潰瘍が生じます。無症状の場合もありますが、吐血や強い腹痛、貧血、黒色便を生じることもあります。胃カメラ検査により潰瘍からの出血の止血を行います。悪化してしまうと、胃あるいは十二指腸粘膜に穴が開いてしまい手術が必要になります。発症や再発を防ぐためにもピロリ菌の除菌を行うことをお勧めします。

胃がん

胃に生じた悪性腫瘍です。胃がん患者のほとんどがピロリ菌に感染しているとのデータもあり、ピロリ菌の除菌が重要とされています。定期的な胃カメラ検査とともにピロリ菌検査、ピロリ菌除菌を行いましょう。

ピロリ菌の検査

  1. ピロリ菌の抗体を調べるために採血や尿検査を行います。胃カメラを使用した方法以外にもピロリ菌の除菌はできますが、保険診療で行う場合は胃カメラ検査を受け、慢性的な胃炎を確認する必要があります。
  2. 胃カメラ検査時に、ピロリ菌の感染が疑われた場合、組織の一部を採取し、ウレアーゼ法、培養法、顕微法と呼ばれる方法にてピロリ菌の有無を調べます。

ピロリ菌除菌の検査

尿素呼気試験

検査時は絶食した状態でご来院ください。専用の袋に息を吹き込んでいただきます。
その後薬を内服していただき、再度、20分後に専用の袋に息を吹き込んでいただきます。
※胃カメラは使用しません。

ピロリ菌除菌対象となる方

保険診療による除菌対象となる方

  • 胃カメラ検査で萎縮性胃炎を認められた方
  • 人間ドックなどでピロリ菌感染の指摘を受けた方
    (当院で胃カメラ検査が必要になります)
  • 早期胃がん内視鏡検査を行った方
  • 胃MALTリンパ腫と診断されている方
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍と診断されている方
  • 特発性血小板減少性紫斑病と診断されている方
  • 他院で胃カメラ検査を受け、慢性胃炎と診断されている方
    (胃カメラ検査から1年以内に限る)

など

自費診療の対象となる方

  • 保険診療によるピロリ菌除菌を試みたが不成功となった方
  • 保険診療のピロリ菌除菌で使用する薬に副反応を生じてしまう方
  • 健康診断などでピロリ菌感染を指摘されているが、胃カメラ検査に抵抗のある方

除菌治療の流れ

1次除菌

消化性潰瘍治療薬(ボノプラザン)と2種類の抗生物質(アモキシシリンまたはクラリスロマイシン)を1週間内服していただきます。特に、ボノプラザンは、従来の除菌方法より除菌率が高いとされています。

1次除菌確認

内服終了から2ヶ月ほどしたら、再度ご来院いただき、尿素呼気試験と呼ばれる検査をしていただきます。ここで、除菌できているか確認します。

2次除菌

1次除菌が不成功となってしまった場合、内服していただく薬剤の変更を行います。ボノプラザンと抗生剤をメトロニダゾールとアモキシシリンに変更し、再度、1週間の内服を行なっていただきます。

2次除菌確認

内服が終わり2ヶ月ほどしたら、再度ご来院いただき尿素呼気試験を行います。ここで、改めて除菌できているか確認します。2次除菌まで行うことで97-98%の患者様で除菌が確認されます。

2次除菌を失敗したら・・・

抗生物質を変更し3次除菌を行うことも可能です。ただし、2次除菌後は自費診療となります。

自費診療の場合

どうしても胃内視鏡検査はしたくない方のみ自費診療(全額自己負担、税別)をお奨めいたします。
ピロリ菌に感染している場合、すでに胃癌ができている場合があり、胃内視鏡検査は行った方が良いと思っています。内視鏡検査は鎮静剤などを使用し、楽に受けられるように工夫をしておりますのでお気軽にご相談ください。
健康診断でピロリ菌感染を指摘された方、ご両親や兄弟にピロリ菌感染者がいる、他院で除菌を行ったが失敗したなどピロリ菌に関する診療を積極的に行っています。まずは一度お気軽にご来院ください。

よくある質問

ピロリ菌に感染しているかどのような検査をすれば分かりますか?

胃カメラ検査を受けていただく事でピロリ菌感染の有無を把握することができます。また、胃カメラ検査だけでなく、採血や便検査、尿検査などで調べることもできます。

ピロリ菌感染するとどのような症状が現れますか?

ピロリ菌に感染すると、胃に痛みを感じたり、不快感を生じることがあります。しかし、中には全く症状が現れないこともあるため、ピロリ菌感染の有無を検査することが重要です。

ピロリ菌は人に移りますか?

ピロリ菌は、経口感染することがあるため、感染しやすい幼少期に口から口に感染する可能性があります。ただし、成人の場合、新たにピロリ菌感染することは考えづらく、キスなどで感染する可能性は低いとされています。

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